切り株で休憩

ときどき花を買います

占いの館みたいな、ユースホステルの思い出

とつぜん、ある場景が頭の中に思い出されました。

クッションがたくさん置かれたソファ、狭いリビングルーム、壁にはピエロの人形がいくつか飾ってある。白い階段の手すり、仕掛けのある壁掛け時計、雰囲気は占いの館のよう。

この場所なんだったっけ? と記憶をたどって、ああ、そうだ。学生のときに泊まった宿だな。ホテルでもない、国民宿舎でもないし…… 

と考えて、ようやく「ユースホステル」という語句を思い出しました。

ユースホステル、泊まったことありますか? 外国人のバックパッカーみたいな方がよく泊まっている、もちろん日本人も利用できる格安の宿泊施設です。私は学生のころ、日本全国あちこちのユースホステルを利用させてもらいました。このシステム、今でも機能しているんでしょうか。全然ググらずにこれを書いていますけれども。

当時、ユースホステルになっていた施設はいろいろあって、病院の跡地みたいな場所もあれば、こぎれいなペンションの場合もありました。若い客が中心、部屋もベッドもいろいろ。だいたいは相部屋で、いろんな国の方と一夜限り、適当に会話ができて楽しかった。カプセルホテルがない時代ですよね、たぶん。

今回思い出したのは、おそらく九州のどこか、長崎だったか佐賀だったか…? 独特の雰囲気の一軒家ホステルです。いかにも占いができそうな女主人さんが居た記憶ですが、今思えばもしかしたら若い私の思い込みかもしれない。単にドールやハンドメイド好きのマダムだったのかもね?

常連さんふうのお客さんが何人かいたのは間違いありません。

ユースホステルは個々人がばらばら、「はじめまして」のことが多いのに、リビングで複数のお客さんたちが長年の知己のように盛り上がっていて驚いた覚えがあります。初対面から連泊で仲良くなったのか、今で言う「オフ会」みたいなものだったのかもしれないですね。

お風呂や晩ご飯がどんなだったかまるで思い出せないですが、いやな思いをしたわけではなくて。

「わー、占いの館みたい!」という印象が強く残っていて、そのイメージをつい先ほど唐突に思い出したのでした。懐かしい。

スマホもデジカメもない時代、写真も残っていないのに、記憶の中に映像があって。思い出って面白いですね。